雨と珈琲と。 Written by Tora

【HSP/おすすめの小説5選】読書でセルフケア・セラピーをしてみよう

ART セルフケア

私は文字が好きです。
それはもちろん本だったり、誰かの日記だったり、新聞のコラムだったりを読んだり…そして自ら書くことも自然と心が安らいでいく感じがしてとても好きです。

私にとって、それはごく自然に身に着けたセフルケアであり、セラピーのようなものでもあります。
感情のコントロールが難しい時なんかに、たくさんの感情や頭に浮かんでくる言葉を書き出したり、心のモヤモヤを整理したりする為にとても重要な役割を果たしてくれていると感じます。

集中して本の世界にどっぷりと浸かっている時や主役の人物に感情移入している時など、とても心地良い時間を過ごすことができるような気がします。
そういった、どこか「無」に近い感覚になれる時、著者の世界にしっかりと浸れる時、雑念が消えている状態の時には、別の人物の人生を一緒に歩いているような不思議な気持ちになることができます。

HSP・エンパスの人にとって、なぜ小説(読書)が必要なのか?

私は、強度のHSPでありエンパスでもあるため、特に感受性が強い方だと思います。

人の心の微細な動きや人間関係の微妙な関わり合い、そういった事にいちいち敏感に反応してしまい自分の感情が制御できないくらい溢れ出して苦しい事もあります。

そんな感情の泉のようなHSP・エンパスの人の内面へのアプローチとして、私はぜひ『小説』を読むことをオススメしたいと思います。

まるでスポンジのようにあらゆるモノや音・感情などから敏感に反応してしまうHSP・エンパスの人にとっては、ある意味で処方箋のようなお守りのような、自分の心を満たすためになくてはならないものだと思っています。

「どうしようもない感情」を消化するように読書した思春期の頃

まず、私がなぜ「小説を好きになったのか」についての経緯を書いてみますね。

私が文字を読むことが好きになったのは、たしか中学生くらいの頃だったと思います。
もともと私は読書に対して苦手意識を持っていて、国語の成績もあんまり良くなかったので、苦手だと思っていたのですが、当時仲の良かった友人が国語が得意だったので、わからないことを聞いていたら段々苦手だと思っていた国語を好きになって理解できるようになっていきました。

そんな理由で、それまでに感じていた本や文章に対する食わず嫌いみたいなアレルギーみたいなものがなくなりました。
そしてちょうどその頃、思春期だった事もあって、感情のコントロールはさらに複雑で難しいモノになっていました。

その頃、いつも目まぐるしく変化する自分の感情の起伏の激しさや、両親や友人との感覚のギャップだったり衝突なども増えていき、それまで以上に自分の心を制御することが難しくなっていたと思います。

誰かに何かを話したい「苦しい想いから助けて欲しい」「ここから開放して欲しい」そんな想いでいっぱいだったような気がしますが、言葉によって自分を守ってあげられるほど器用でもなかったので凄く苦しい感情を感じながらも、どうすれば良いのか分からず不毛な日々を送っていたような気がします。

そんな感情の波が激しい自分のことも徐々に嫌いになっていきましたし、誰にも理解してもらえないというジレンマなども辛く感じていました。

そういった気持ちを払拭したい・整理したいという想いから、読書をして紛らわしていたような気がします。

【HSP/おすすめの小説5選】読書でセルフケア・セラピーをしてみよう

さて、それでは私が読書セラピーとして、セルフケアに寄り添ってくれるようなおすすめの『小説』を5冊選んでみたいと思います。
(*今後も随時、追記や別記事にてご紹介しますね)

①体は全部知っている:吉本ばなな著

吉本ばななさんの著書は、学生時代にほとんど読み尽くしていた記憶があります。

でも最近になって、再びより丁寧にその文章に触れてみる機会があり、また改めてこの本の素晴らしさを知りました。

あらゆる世代・立場・性別の人が、その生きている時間の中で、それぞれに感じ取る想いが違うかも知れません。

私は、小説を読む際に、自分の経験や感情とのリンクをすごく意識して読んでしまうタイプで、無自覚に自然と読書セラピーを自分でしていたんだなぁと気づきました。

この本は、それがしやすい本ではないかな?と思います。

もし、「読書はちょっと苦手だな…」と感じられる方も、一度じっくりと自分の感情を照らし合わせながら、自分の感情の奥深くを探ってみるような感覚で読み進めてみてください。

そうやって感情をしっかり感じ取ってみることで、自分の心が整理されていくこともあります。

また、自分で思ってもみなかった一文に深く共感する事もあるかも知れません。
そうやって、自分自身を知ってあげることが、とても重要です。

ビジネス書や自己啓発本とは違って、感情と深く向き合うことができるという事が、小説の魅力ではないかと思います。

②i:西加奈子著

西加奈子さんの著書は、すべての人を肯定してくれるような強さがあります。
ただ優しいだけではない、心の奥深くをえぐり取ってくるような、心の手術をしているような感覚があります。

この「i」という小説は、私が海外で生活をしていた頃に、なんとなく手に取ってみた一冊です。

冒頭からしばらくは、ちょっと見たくない・知りたくなかった…そんなようなぐちゃぐちゃしたカオスを感じる方もいるかも知れません。

私もそうでした。
途中で、読むのをやめたいと何度か思いました。

ですが、自分のおかれている状況(海外生活のことや家族との距離など)にシンパシーを感じて、半分怖いもの見たさで読み進めたような記憶があります。

再読するのは勇気がいると感じる本です。

でも、人生の素晴らしさが理解できる気がする本だなぁと思います。
もし今、何か人生への気づきやスパイスを欲している人がいれば、私はこの本をおすすめします。

③すばらしい日々:吉本ばなな著

吉本ばななさんのエッセイ集です。

ばななさんは、小説から人物像が見え隠れする部分がありますが、ご本人自体にすごく興味を惹かれる方でもあります。

私は、小説を読んでいる中で、もっとばななさんの私生活に触れてみたくなり、何冊もエッセイばかりを読んでみたりもしました。

ばななさんのエッセイの中では、日々を慈しむような、淡々と過ぎていく毎日の中にキラキラしたものや、「今を生きる喜び」のようなものを教えてくれる、ある意味ニュートラルに戻してくれるような感覚があります。

私にとっては、心のお守りのような一冊です。

サラサラと読みやすいので、読書初心者の方にもオススメしたいと思います。

④かもめのジョナサン:リチャード・バック著(五木寛之訳)

こちらは、私が以前通っていたヨガスタジオでもらい受けた本です。
「良かったら読んでみて」と、ごく自然に私のもとへ入ってきました。

この本は、原作が英文なので、文体としては男性的に感じられる方もいらっしゃるかも知れません。

私は、文体で読みにくさを感じる場合には、途中で離脱してしまう事も多いのですが、この本はとりわけ読みにくいタイプの本ではないと思います。

私にとって、この本と出会ったタイミングも然り、いろんな巡り合せから私に届いたこの本へのリスペクトは、やはり今でも大きく印象に残っています。

ジョナサンの教えてくれたことは、とても大きかったなぁと振り返ります。

また、ページ数も少なく、サクッと読みやすい一冊かなと思います。
「自分らしく生きる」ということについて勇気を与えてくれる本です。

「人生は、誰にとっても一度きり、時間はお金では買うことができない」

そんな事をもう一度、しっかりと気づかせてくれるバイブルのような存在です。

⑤もものかんづめ:さくらももこ著

さくらももこさんの著書も、たくさん読んだなぁという記憶があります。

自分らしさや、家族・友人との関わり、ささやかな日々から気づかされる、なんでもない事が幸せだということ。

笑ったり泣いたり、いろんな事があって、そうやって毎日が流れていく。

初めて手にしたのは、高校生の頃。
「普通の暮らしの中に、たくさんのモノが詰まっている」多感な時期に、スッと息抜きをくれた一冊でした。

焦ったり、もっと努力しなくちゃと思ったり、疑心暗鬼になったり、誰かに嫉妬したり…そんな感情を一旦横に置いて、フッと軽くしてくれる気がします。

自分が知らぬ間に抱え込んでしまった、重たい荷物を一度おろして、ただ公園でくつろいで読書してみることも大切な時間です。

感情のセルフケアとして「小説」が必要だった理由とは?

最終的に私が小説に落ち着いたのは、高校生の終わりぐらいからだったと記憶しています。
私は、高校生の頃から電車通学していたから、その時間の感情のコントロールをどうすればいいかずっと探していました。

本当は電車が苦手で人の目が気になって緊張してばかりいて大変だったので、何か他に集中できる道具が必要でした。

帰り道とか朝の時間、一人で通学することが凄くストレスで消耗していました。

電車の中という、不特定多数の人たちと一定時間の軟禁状態になるあの変な感じは、やっぱりすごく抵抗があったから、最初はなかなか集中できなかったけれど、少しずつ読むことにだけに没頭できるようになっていきました。

その時間を小説に没頭することができれば、一定時間は全てのストレスから開放されました。
この時、私はやっと変な緊張状態から開放されて、小説を読むことによってセルフケアができるということを身をもって体験したのだと思います。

「小説」は確実に、私にとって感情のコントロールのために必要な、大切なツールとなりました。

 

【まとめ】読書でセルフケア・セラピーをしてみよう

小説は、他人の人生を垣間見るような、いろんな人の価値観を知ることができるような世界を広げてくれるという魅力があります。
自分の知らなかった世界に、一瞬入り込むことでパラレルワールドに触れることができるツールだと思います。

そういった意味で、読書を通じて徐々に自分の感情を俯瞰で見ることができるようになっていくのではないかな?と思います。
皆さんも、ぜひ読書をしながらセルフケア・セラピーをしてみませんか?